【新聞ウォッチ】日立と三菱重工が経営統合、トヨタに次ぐ巨大企業誕生へ

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年8月4日付

●日本車、韓国勢に苦戦、米中でシェア低下、震災、円高響く、品質、性能差も縮小(読売・1面)

●なっ解く:電気自動車の優遇策、補助金継続免除の税も(読売・17面)

●原発関連3首脳更迭へ、首相意向(朝日・1面)

●自動車、円高足かせ、4〜6月期トヨタ営業赤字に、日産、米州で生産拡大、海外販売増加、円高回避(朝日・9面)

●スズキ・VW、提携解消強まる「10月までに結論」(毎日・8面)

●東京円、初の76円台(産経・2面)

●日立テレビ生産撤退、コスト減で生き残り、海外委託、各社に拡大も(東京・7面)

●自動車大手、2社赤字、5社減益、4〜6月期下半期で挽回はかる(東京・7面)

●日立・三菱重工統合へ、13年春に新会社、世界受注へ巨大連合、きょう発表、売上高12兆円超(日経・1面)

●日産、車輸出を半減、円高で現地生産拡大(日経・9面)

●ガソリン価格3週連続上昇、店頭1日時点(日経・13面)

●ヤマハ発、純利益91%増、今期上方修正、マリン事業、欧米で回復(日経・15面)

●商用車大手、いすゞ、純利益30%減、4〜6月期(日経・15面)

●カーシェア被災地で発進(日経・19面)

ひとくちコメント

日立製作所と三菱重工業が経営統合へ向け協議を始めることで基本合意したという。きょうの日経が1面トップでスクープ報道している。それによると、2013年春に新会社を設立、両社の主力である社会インフラ事業などを統合する方針だ。

日本の製造業における巨大企業同士の統合が実現すると、原子力などの発電プラントから鉄道システム、産業機械、IT(情報技術)までを網羅する世界最大規模の総合インフラ企業が誕生する。両社の売上高を合わせると、単純合計で12兆円を超え、国内製造業では19兆円のトヨタ自動車に次ぐ規模になる。

すでに、日立と三菱重工は10年前から製鉄機械部門の統合で合意。昨年は水力発電機器事業でも統合することで合意しているほか、鉄道システムなどでも提携を進めてきており、地ならしは整っていた。しかも、官需に依存する経営体質も似たり寄ったりで、生き残るためには新興国を中心に社会基盤事業の受注拡大を狙うなど、収益構造の改善が急務となっている。

それにしても、昨日は日立がテレビの自主生産から撤退するというニュースで持ちきりだったが、それも一夜が明ければ飲み残したビールのようになってしまった。経済ネタはバカのひとつ覚えのように節電対策と円高の情報以外は夏枯れ状態だったが、日経はさらに踏み込んだ取材で、両社の経営統合をスクープした。これで目が覚めた経済記者もいることだろう。

《福田俊之》

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