ホンダは22日、ツインリンクもてぎに開設している博物館「ホンダ・コレクションホール」に収蔵されている往年の名車の走行確認テストをおこなった。40年以上前に活躍したF1マシンやレーシングバイクなど8台が、快晴のツインリンクもてぎを駆け抜けた。会場はツインリンクもてぎ南コース。
この日、走行確認テストをおこなったのは、国内初走行モデルも含むF1マシン3台、レーシングバイク5台の計8台。1965年のF1世界選手権に出場した1500cc・水冷4ストロークV12エンジンの「RA272」や、1967年のF1出場車で3000cc・水冷4ストロークV12エンジンの「RA300」のほか、1967年のWGP500ccクラスに出場した「RC181」などが、爆音と共に当時の走りを蘇らせた。
目玉は、1991年のF1出場車「マクラーレンMP4/6」。3500cc・水冷4ストロークV12エンジンを搭載し、当時ゲルハルト・ベルガー選手がステアリングを握ったモデルだ。途中スロットルワイヤのトラブルにより数周でテストを終えたが、その迫力ある甲高いホンダエンジンの咆哮に、報道陣からも歓声があがった。
今回全ての車両のドライバー/ライダーを務めたのは、「ドライダー」(2輪も4輪も走るレーサー)として知られる宮城光氏。宮城氏は、往年の名車をテストできることについて、「僕は世界一の幸せ者。レーサー冥利に尽きます。現代の技術でも今回の車両を走らせるのに苦労しているのに、当時は世界の裏側まで持って行って、しかもレースに勝っていたなんて。当時の人のパワーというものを感じました」と喜びを語った。
今回テスト走行をおこなった車両は、7月2日にツインリンクもてぎで開催される「全日本ロードレース選手権」に合わせておこなわれるイベントの中で、デモンストレーション走行として一般にも公開される。