上海モーターショーのマツダブースは、日本人にとっては違和感を覚える展示車両のラインナップだ。『マツダ6』(日本名『アテンザ』)が現行モデルだけでなく先代モデルまで展示してあるのである。
実は、先代モデルも現役の販売車種。新型(日本での現行型)と従来型が併売されているのだ。新旧を併売している理由は、「販売価格と購入層の違い」(マツダ常務執行役員中国事業担当山田憲昭氏)にある。
新型はCDセグメントの中間に位置する価格設定(21万~25万元=約266万~317万円)だが、先代モデルは同じセグメントの中でローエンドの価格設定(17万~20万元=約215万~254万円)となっているのだ。日本でいえば、トヨタでの新型『プリウス』と『プリウスEX』の関係が同じといえる。実はこういった例は中国市場では少なくは無く、トヨタも『カローラ』で新型と従来型を併売している。
話をマツダ6に戻すと、従来モデルの販売台数も年を追うごとに増えていて、現在ではマツダ6の中国での販売のうち約6割を占めるというから日本人の感覚では驚く。購入する年齢層は新型よりも低く、1980年代生まれが購入層の中心だ。そして、そんなマツダ6は、中国市場でのセグメントシェア11%を誇る人気モデルである。