先代の行き過ぎた感のあったディテールが是正された最新『5シリーズ』。ツーリングのリヤ形状はセダンの新旧ほど差は大きくないものの、E61型(先代)に対しF11型(新型)は全長で+60mmの数値以上に、伸びやかでエレガントな外観となった。
セダンより僅かだけ平板に感じる後席も、スペースは十二分で、ドア開口部が広いのはツーリングの優位点。ラゲッジスペースは四角く深く広いが、40:20:40の後席分割可倒を使うとスペースはさらに拡大。
ツーリングならではの便利なガラスハッチは新型でも備わる。トノカバーがバックドアに連動して開閉するのもこのクラスならではだ。あえてベース車の523iに試乗したが、直6の2.5リットル+8速ATの組み合わせで、通常領域のほとんどで過不足のない動力性能を実感。
足まわりはツーリングは荷重増加に配慮してか(車重はセダン比+110kg)、セダンのほうがよりしなやかさにも感じるものの、基本的にはしなやかさとキレの良さが高いレベルで実現された、BMWらしい走りっぷりが堪能できる。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年より『GOLD CARトップ・ニューカー速報』の取材/執筆を皮切りにフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。