【池原照雄の単眼複眼】東京モーターショー、「近未来モビリティ」で再出発

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◆「SMART MOBILITY CITY 2011」を目玉に

1年後の今ごろは、東京ビッグサイトに会場を移した「東京モーターショー2011」が開かれている。前回2009年の開催では、金融危機のあおりもあって主要外国メーカーが出展を見送るなど淋しいショーに終わった。主催者の日本自動車工業会は、再出発となる次回、前例のない規模でのテーマ展示を行い、日本ならではの「近未来モビリティ」の世界を提示する。

42回目となる来年の東京ショーは、一般公開日が12月2日から11日までの10日間とし、会期は前回の12日から短縮される。だが、東京都内に会場を移すことなどにより、自工会関係者は前回の約61万5000人を上回る来場者を目指すとしている。

自動車メーカー各社によるコンセプトカーなど従来の展示に加え、来年はテーマ展示として「SMART MOBILITY CITY 2011」を開催、東京ショー復興への足掛かりとする方針だ。このコーナーでは、地球環境保全への要請やエネルギー制約が高まるなかでの次世代自動車および社会システムの姿を提示していく。


◆ITSとスマートグリッドを柱に

具体的にはカーテレマティクス技術やITS(高度道路交通システム)による近未来交通の姿と、スマートグリッド(次世代送電網)のなかで電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)が担う役割などを俯瞰できるように展示する計画だ。

このテーマ展示に当たっては自工会だけでなく、日本自動車部品工業会やNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)、ITS Japan、日本自動車研究所などによる実行委員会を組織しており、産官学を挙げてのイベントとしていく。

ホールと屋外(屋上)が一体となった約1万3000平方mをこの展示に充て、屋外部分では一般来場者が次世代車両の体験試乗などを行えるようにする。

また、実行委員会による「コア」展示のほか、テレマティクスやスマートグリッドなどに関する企業や団体などの個別出展ブースも用意する。11月末に行った出展説明会では、電機や通信業界など異業種からの参加も多く、関心の高さが示されている。


◆「ビジネスは中国、先端技術は日本」の割り切り

「SMART MOBILITY CITY」のテーマ展示の構想は、昨年春に浮上したという。自工会と会員各社がモーターショーの活性化を討議した結果、日本の自動車や関連産業の技術発信を、明確に東京ショーの柱とすることが確認されたのだった。

アジアのモーターショーは、世界最大の新車市場に急成長した中国の北京、上海、広州のショーが年々規模を拡大し、外国メーカーの中国への関心は東京を凌ぐようになった。

出品者が販売につながる大市場に向かうのはやむを得ず、これからは「ビジネスは中国、先端技術は日本」と割り切って東京モーターショーの魅力を引き出すことだ。その点からもまずは「SMART MOBILITY CITY」を成功させねばならない。
《池原照雄》

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