フィットHVとプリウス、それぞれのシステムの違いがもたらした個性…西川淳

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『フィットハイブリッド(HV)』の登場で、トヨタとホンダの二大ハイブリッド陣営における搭載システムの根本的な違いが、カタチやライドフィールにより鮮明に現れるようになったと思う。ひいては、モデル展開におけるそれぞれの課題も明らかになった。

スタイリング/ライドフィールに関して言えば、ハイブリッドにして“これまでと違うなあ、すごいなあ”と誰もが実感できる『プリウス』に対して、“ノーマルとほとんど変わらない感じで乗れるよねえ”と思えるフィットHV、という関係だ。

もちろんフィットHVにも、ノーマルとの違いをアピールする仕掛けはいくつもある(アイドルストップ、EV走行表示、重厚感、静粛性、クリア系華飾など)が、基本的にはフィット本来の実用における機能性や扱いやすさを犠牲にしないよう注力されているように思われる。見栄えはともかく(個人的には“いかにも”なあざとい演出はもはや不要だと思っているが)、普段遣いにおける特別感をできるだけ消すという考え方は、EV的新・乗り物感を演出することに負けず劣らず大切なことだろう。

とはいえ、今回のフィットにおいてはベースモデル13G/Lや15RS、さらには15Xといった非ハイブリッドモデルもしっかり進化しており、かなり魅力的。多くの人には13系を奨めておけば十分である。トータルコスト比較も含めてハイブリッドモデルの魅力が見えづらくなっている(もしくは、ノーマルモデルの存在が足かせになっている)という側面もあって、一車種内ハイブリッドグレード戦略の難しさが案の定、露呈した。

その点プリウスはハイブリッド一本でラクだが、こんどはラインナップの多いトヨタにおいて、他モデルのレゾンデートル(存在意義)が失われてしまいつつある。ハイブリッドか否か、はユーザーの志向と重なって、ラインナップ整理のひとつのキーポイントになった。
《西川淳》

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