ホンダが会場に展示したASV4実験車両は、大型スクーター『フォルツァ』と電動カート『モンパル』、それに会場の都合で模型での参加となった『オデッセイ』の2台+α。見通しの悪い道路環境での追突事故や右直事故、左折事故を未然に防止する車両として用意されたもので、昨年2月に東京・お台場で公開したものをベースに「ホンダASV4」として完成させている。
車両の目的は3つあって、(1)車車間及び路車間通信の機能確認、(2)安全運転支援システムの機能確認、(3)システムの効果、評価に資するデータの取得と提供が主要な柱。この中で車車感通信については、システムの標準化をどう具体化するかが重要なテーマとなっている。日本の自動車メーカーの大半は日本とアメリカでの展開となっているが、ホンダは欧州にも積極的に参加している。
その理由を、本田技術研究所四輪R&Dセンター主任研究員である里村昌史氏は、「フォーマットの標準化に対して国の数が多い欧州の動向はきわめて有力。しかも欧州は閉鎖的な部分が多く、貢献できる内容次第で評価が変わる。ホンダは二輪メーカーとしての実績があるからこそ、参加を認められている」と話す。
つまり、国際標準化を決定するISOで策定されることが世界の標準フォーマットになるのは確実で、アメリカも同調していくはず。となれば日本もこれに合わせざるを得ないというわけだ。ホンダは今回の展示を通じて、これまでの実績を訴えていくという。