3代目となった新型『スイフト』は、2代目で培った“スイフトらしさ”を失わないようにデザインされている。
その“スイフトらしさ”について、四輪技術本部第2カーラインチーフデザイナー松島久記さんは、「デザインチームの中でも最初から最後までずっとこの論議は続けてきました」とその重要性を語る。「開発の初期段階では、スイフトらしさとはどこで、スイフトとして外せないポイントはスタイリング上どこなのかということを何回も検討し、多くのデザインスケッチを描きました」という。
具体例として松島さんは、「開発の初期段階ではAピラーがボディ色のプロポーザルが多くありました」と話す。しかし、Aピラーをブラックアウト化したラップ・アラウンド・ウインドウ(ピラーを隠して前面と側面のウィンドウを一体として見せるデザイン)がスイフトらしいということで(ボディ同色は)不採用となったのである。
他にも「ヘッドランプが縦長だったらスイフトに見えるのか、ウインドウグラフィクやショルダーの断面など、それぞれひとつひとつ、これは無くてもスイフトに見えるのか、無ければ駄目なのかとスケッチを何枚も描いて検討したのです」。
また、もうひとつ非常に大きいスイフトらしさのテーマはサイドビューにもある。「力強いショルダーラインとそのショルダーラインが前後でタイヤを掴みに行く造形(前後でショルダーラインが下降していく)が重要なポイントなのです」という。そして、「タイヤが四隅に配置されたことによる安定感。これらを表現するためにタイヤの部分も設計と何度も協議をして、極力外に出すようにしてスイフトらしさを表現したのです」と語った。