気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2010年6月28日付
●内閣支持続落50%、消費税上げ「説明不十分」88%(読売・1面)
●高速無料化スタート(読売・2面)
●可夢偉7位に今季自己最高、F1欧州GP(読売・27面)
●ミャンマー初の国産車展(朝日・4面)
●高速無料化でも通行券は必要(毎日・28面)
●中国の工場スト、「世界の工場」の帽子脱ぎ捨てよ(産経・6面)
●マツダへの思い屈折?、引寺容疑者、関係企業渡り歩く(東京・24面)
●G20、成長回復で協調へ、財政赤字「2013年半減」で攻防、首脳会議開幕(日経・1面)
●上海汽車、1320億円調達へ、第三者割当増資、独自技術を強化(日経・7面)
ひとくちコメント
高速道路の一部無料化が始まった。民主党が政権公約の目玉に掲げてきたものだが、無料化の恩恵を受けるのは全国37路線50区間で首都高速と阪神高速を除く高速道路全体の約2割(約1652km)と限定的だ。27日付の朝日の朝刊1面のほか、きょうの読売、東京も無料化された高速道路の地図を掲載しながら「無料化の社会実験スタート」と取り上げている。
社会実験のため、制約もある。実施期間は来年3月末までだし、しかも、自動料金収受システム(ETC)搭載の有無にかかわらず、全車種が対象だ。毎日は「高速無料化でも通行券は必要」と皮肉っぽい見出しで、「無料化区間ではETC搭載車は従来通り、車載器にETCカードを挿入し、専用レーンを通行する。ETCを搭載していない車は料金所でいったん停止し、通行券を受け取る必要がある」と説明。国交省が利用データを収集するためだとしている。
読売は社会面で「0円高速、期待と静観」というタイトルで、「地方区間がほとんどの上、“飛び飛び”のため、大幅な利用者増にはつながらないとの見方が強い」と指摘する。日経は社説で「私たちは無料化に繰り返し疑問を呈してきた」としながら、「受益者負担の原則に外れるうえ、他の交通機関から車に利用が移れば、ガソリン消費が増えて地球温暖化対策に逆行するからだ」と解説。いずれもデメリットほうが多いという論調だ。
「実験」の成否は、無料化の是非をめぐる議論にも影響しそうだと朝日が報じているが、地図を眺めても、例えば首都圏のドライバーは無料区間の多い北海道や九州などをドライブしない限り、来年3月末までの間、果たして「0円高速」をどれだけ利用するかどうか疑問である。