BMWのSAVのベースラインを受け持つモデルがこの『X1』。4気筒2.0リットルの「sDrive18i」はFRの2WDで、6気筒3.0リットルの「xDrive25i」は電子制御4WDという設定。どちらを選ぶかは微妙なところがあるが、積雪地に住んで冬季は日常的に4WDを必要とするユーザー以外は、2WDの18iのほうがお勧めだ。
というのも走りの軽快感という点で、18iのほうが大きく勝っているからだ。BMWらしいフットワークの良さやハンドリングの素直さなどの点で大いに魅力的なモデルである。
25iは動力性能で上回るものの、4WDであることなどによる重量増などによってその一部が相殺されている。特にフロント部分が重くなる分だけ、走りの軽快感に違いがある。
名前はX1だが、1/3シリーズ系の基本プラットフォームを採用しており、実質的には3シリーズツーリングのSAV版ともいえる。後席の居住空間やラゲッジスペースも実用的な広さが確保されるので、3シリーズのツーリングを食うような売れ行きになるのではないか。
全高を低く抑えた独特のパッケージングによって立体式駐車場に入れられるのも良い。ただ、最小回転半径はどちらも5.9mとやや大きめだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。