[セアト60周年]70年代後期の経営危機

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セアト133と、初代ボンドガールも務めたウルスラ・アンドレス
  • セアト133と、初代ボンドガールも務めたウルスラ・アンドレス
  • 50年代に生産が始まった1400
  • 1961年ラインナップ。ゾナ・フランカ工場前で
  • 127の生産
  • ベータHPE
  • 1971年ハラマ・サーキットのフォーミュラ1430

フォルクスワーゲン(VW)グループでスペインを本拠とするセアトが創業60周年を迎えた。1950年の設立時、出資比率は、国営工業機関51%、銀行団42%、フィアット7%だった。

市場における成功の波に乗り、フィアットはセアト株を国営工業機関から買い取りながら、出資比率を36%にまで高めた。

1970年代はフィアット系モデルをさらに拡大しながら、フォーミュラ1430などモータースポーツにも積極的に参戦した。

また、フィアット『850』を基にしながらもオリジナルデザインのセアト『133』も開発・発売した。1974年には欧州第8位のメーカーに躍進し、ランチア『ベータ・クーペ/HPE』の生産も開始する。

しかし、1978年なると、一転して大幅な赤字に転落してしまった。スペイン政府が輸入車に対する規制措置を緩和したのを受けて、外国メーカーが相次いでスペイン国内市場で勢力を伸ばしたのが原因だった。

そうした状況に積極的な打開策を講じないフィアットに、国営工業機関と銀行団は、やがて業を煮やし始める。

■フィアットと分かれVWと組む

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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