フィアットグループは21日、イタリア・ミラノにおいて中期経営計画を公表した。同グループのセルジオ・マルキオーネCEOは、「アルファロメオブランド車を2012年、米国で発売する」と正式発表。ブランド初のSUVも用意されることが判明した。
アルファロメオの米国投入時期に関しては、これまでさまざまな憶測が流れていたが、2012年と正式決定。その車種ラインナップの充実ぶりに、マルキオーネCEOの強い決意が感じられる。
最初に発売されるのは、現行『159』の後継車、『ジュリア』。4ドアセダンと5ドアステーションワゴンの2ボディ構成で、BMW『3シリーズ』やアウディ『A4』に対抗する。
米国での商品戦略上、欠かせないのがSUV。そこでアルファロメオは、ブランド初のSUVをクライスラーグループと共同開発し、米国市場へ投入する。これはジープブランドの車台を利用したSUVで、2012年にコンパクトサイズ、2014年にミドルサイズを発売する計画だ。
ちなみに、アルファロメオは2003年のジュネーブモーターショーに、『147』ベースのSUVコンセプト、『カマル』を出品。しかし、市販はされていない。
このほか、次期『スパイダー』を2013年に米国発売。この年、『MiTo』に5ドアハッチバックが追加され、このモデルも米国市場でリリースされる。『ジュリエッタ』に関しては、2014年のマイナーチェンジを機に、米国へ投入される。
小型ハッチバックのMiToから、中型SUVまでのフルライン構成で、米国へ再上陸するアルファロメオ。1995年、アルファロメオは品質問題から販売不振に陥り、米国市場から撤退した過去がある。それだけに、マルキオーネCEOには、「同じ轍は踏まない」との思いが強いはずだ。