【トヨタ パッソ 試乗】エアバッグ標準化の宣言は何だったのか…松下宏

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パッソ
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『パッソ』はクルマそのものを評価する前に、平然と約束を破った点で評価できないクルマだ。2007年7月に、今後全乗用車に標準装備すると宣言したSRSサイド&カーテンエアバッグを、今回のパッソでは全車オプション設定に後退させてしまったからだ。

そればかりではない。100万円ちょうどの価格が設定された最廉価グレードの「1.0X Vパッケージ」では、後席の中央に3点式シートベルトがないだけでなく、後席は3席全部にヘッドレストレイントが装備されていない。今の時代にこれがクルマという商品足り得るのか。

実際に走らせた印象もどうにもならない。フニャフニャの足回りは、首都高のコーナーでどこに行ってしまうのかというくらいに不安を感じさせる挙動を示した。女性ユーザーはそんな走りをしないという逃げ口上が用意されているのだとしたら、ユーザーをなめるのは好きではないと言っておこう。ほんのわずかにコストをかけるだけで、より安定性の高い足回りを作るのは容易なはずだ。

シート表皮などを少しおごった+Hanaやナノイードライシャワーなどを気に入って買うユーザーかいるかも知れないが、少なくとも私はこのクルマを誰にも勧める気になれない。トヨタはいつまでもこんなクルマを作ってちゃいけない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★
パワーソース:★★
フットワーク:★
オススメ度:ナシ

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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