近頃、ホンダは5ナンバーサイズのクルマが魅力的だ。『フィット』『インサイト』『フリード』に『ストリーム』、そして新型『ステップワゴン』。
外観から察するまでもなく、今回のステップワゴンがまずこだわったのは、「広さ」だろう。実際の数値だけでなく、外から見て「広そうだな、乗ってみたいな」と思わせること、そしてもちろん、乗ってみると想像通りの広さがあること。3列目シートの回転床下格納というビックリ技術を投入したことによって、女性の厳しいチェックにも合格点がもらえるだろう。
これは、『ノア』『ヴォクシー』や『セレナ』といったライバルに対抗するため、というのもあるが、もうひとつ重要な使命を持っていると私は思う。
それは、ステップワゴンが広く大きく使いやすい特徴を持つことにより、ホンダ5ナンバー車のフルラインナップが完成したということだ。独身から若いファミリーにはフィット、ハイブリッドならインサイト、ファミリーから大人の趣味グルマとしてまで、幅広くカバーするストリームとフリード。そして子だくさんファミリーもOKのステップワゴンと、5ナンバーサイズでここまでの選択肢を提供できるのは、ホンダだけだ。
日本独自の制度である5ナンバーサイズだが、やはり日本の道にもランニングコスト的にも、ユーザーへの恩恵は大きい。そこを充実させるというのは、すなわち日本のユーザーをおろそかにしない、そんな思いが伝わってくるようである。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
まるも亜希子|カーライフジャーナリスト
大学在学中に声優デビュー、卒業後は自動車専門誌で編集者を務める。2003年、カーライフ・ジャーナリストとして独立し、雑誌、ウェブ、ラジオ、CS、イベントへの出演等を軸に活動中。2004年、2005年には、サハラ砂漠2500kmを走破する女性だけのラリーに挑戦し、日本人チームとして初めて完走。現在、ニッポン放送『DRIVE with ECO&DREAM』レギュラー出演中。