ルノーは3月9日、独西部のノルトライン・ヴェストファーレン(NRW)州で、「E-モビリティ・イン・コミュータートラフィック」と名づけた実証実験を行うと発表した。
このプロジェクトは独エネルギー企業RWE、自動車技術研究企業FKA、アーヘン工科大学の高電圧技術研究所、現地法人ルノー・ドイチェラントと共同で行うもので、独連邦交通建設都市開発省からEVモデル地域プログラムのひとつとして認定され、約700万ユーロがサポートされるという。
具体的には、ルール地方とニーダーライン地方の間を走るアウトバーンA40を往復する通勤車両のEV化を目指しており、ルノーが用意する40台のEVプロトタイプを、RWEがリース供給している110台の既存のコンバートEVとともに提供する。
モデルはセダンの『フルーエンスZ.E.』と小型商用車の『カングー・エクスプレスZ.E.』になる予定で、2011年の生産開始に合わせて導入するという。RWE側のリース車両はフィアット車がベースで、コンパクトカーの『カラバグ500E』と、小型商用車『ミクロ・ヴェット・フィオリーノE』がある。
またRWEは2011年中頃までに、充電施設などのインフラを整備する予定で、GPSなどを使って充電施設の空き情報や渋滞情報を提供することも考えている。
もちろん今回の実証実験は、交通建設都市開発省のもと、国立水素・燃料電池機構が監視、考察、判定を行うことになっている。
NRW州では2010年のテーマのひとつとして、EV/PHV導入に積極的に取り組むことを挙げており、ケルンでは地元のフォード、ラインエネルギー社、デュイスブルク・エッセン大学とともに、ドイツ政府が実施するEVとインフラのテストプロジェクト「ケルンE-モビル」を行うと発表している。こちらではフォードの商用車『トランジット・コネクトBEV』を10台使用するという。