【トヨタリコール考】リコールを決めるのは国交省なのだ…こもだきよし

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プリウスを発表する豊田社長(当時副社長。2009年)
  • プリウスを発表する豊田社長(当時副社長。2009年)

クルマに設計上や製造上の欠陥があった場合、「リコール」や「サービスキャンペーン」といった手段で回収・無償修理をするシステムがある。

「リコール」にするかディーラーに整備に来たクルマには対策を施す「サービスキャンペーン」にするかは、日本ではカーメーカーではなく国土交通省が決めることになっている。人が負傷や死亡してしまう可能性があるケースでは「リコール」になるが、その危険性がない場合は「サービスキャンペーン」になるのが普通だ。

トヨタが最初に日本で記者会見をしたときに、新聞記者から「リコール」にするのかと聞かれても答えられなかったのはそのためだ。

「サービスキャンペーン」になったとしても、カーメーカーが「リコール」と同じ体制で広告をだして回収・無償修理することは可能である。

世間で大騒ぎになっているということで、大臣がおかしいじゃないかと話し、あとから「リコール」扱いにするというのは、それこそおかしな話だ。

『プリウス』のブレーキング時のプログラムの書き換えという対策を受けると、ABS作動時だけではなく普段のブレーキの感触まで良くなるということなので、最初からそうしておけば良かったのにと思う。でもそこまで燃費に振っていたということだ。逆に考えれば対策後は燃費が悪くなる可能性もあるが、恐らく日常の運転では差がでない範囲だろう。

こもだきよし|モータージャーナリスト/日本自動車ジャーナリスト協会副会長
学生時代から始めたレースをきっかけに、タイヤのテストドライバーになり、その後フリーランスのモータージャーナリストに転身。クルマが好きというより運転が好きなので、その視点でクルマの評価をしている。日本自動車ジャーナリスト協会副会長、JAF交通安全委員会委員、警察庁(交通企画課/運転免許課)各種懇談会委員、グッドパーキング選考委員、全国道路標識・標示業協会理事、BMWドライバー・トレーニング・チーフインストラクターなどの肩書を持つ。

《こもだきよし》

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