ホンダでは『CR-Z』の発売と共に、通信費無料のテレマティクス「リンクアップフリー」をスタートする。
通信モジュールはウィルコムのW-SIMを利用しており、ホンダディーラーで車検を通すという条件があるものの、テレマティクスとしては業界で初めて“永年無料”を実現したサービスだ。
インターナビ事業室企画開発ブロックの間俊輔氏は、「接続にともなう作業は納車時にディーラーにておこなうため、契約さえ済んでしまえばお客様の手を煩わす必要はない。インターナビには定期点検の案内やイベント情報などを提供するONE to ONEダイレクトメッセージを提供予定。情報提供には、走行距離や年月経過、地域なども考慮してプッシュ配信する」と説明する。
無料化実現のモチベーションは一にも二にも「通信利用率の向上」だったという。「これまでは、ユーザーの携帯電話を利用した従量課金やウィルコムの通信カードを利用した定額有料サービスなども用意していたが、やはり有料となると二の足を踏むユーザーは多かった」(インターナビ事業室長今井武氏)という。
無料化に伴い、メーカーオプションナビを購入すれば追加費用なしで接続サービスが利用可能になる。インターナビ情報センターに自動接続し、定期的なデータ通信を行うため、フローティングカーデータなどのリアルタイム走行データ収集量の増加が見込め、より精度の高い最適ルート案内が実現する。
継続に際しては、車検時にホンダ系ディーラーで更新手続きをすることで、車両を所有している間は通信費無料でサービスの利用が可能となる。今井氏は、「通信サービスをすべてのナビユーザーに無料で使っていただくにはどうすれば良いかを第一に考えた結果」と語るが、ナビへのダイレクトメッセージによるディーラー営業支援と合わせ、結果としてインターナビはCR(Customer Relation)ツールとしての役割も担うに至った。