今回の『アルト』は、普通に良くできたクルマという印象だ。このモデルから採用が始まった画期的な機構などはないのだが、新しいプラットホーム、新しくVVT機構が加えられたエンジン、副変速機の付いた新しいCVTという具合に、アルトとしては初採用となる新しいメカニズムがいろいろと加えられた。
結果として走りのフィールのがグンと良くなっている。乗り心地の良さを維持しつつも安定感を増した足回りや、スムーズに回ってトルク感のあるエンジン、幅広い変速比で燃費にも優れるCVTなど、いろいろな面で良くなった。
グレードによって75%低減か50%低減かが変わるが、いずれにしても全車がエコカー減税&補助金の対象になった。
ATも全車4速になり、これもなかなか好フィールだから、売れるのはAT車になる可能性が高いが、AT車はABSがオプション設定になる点に注意が必要。スズキがアルトに標準装備すれば、ほかのメーカーも含めて全車にABSが付くことになるのだから、ぜひともABSを標準装備化して欲しい。当面は購入時に必ずオプション装着することだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★
松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。