高岳製作所(東京・中央)は、入力容量を抑え、施工コスト低減を目指した新しい20kWタイプの電気自動車用急速充電器を出展した。法人向けに今春発売を予定していて、価格は「200万円台前半」(同社)という。
この20kW版EV用急速充電器は、入力がAC200V、出力電圧がDC50 - 500V、出力電流が50A。公称定格電力がこれまでの50kWから20kWにサイズダウンしたことにより、従来の50kWモデルよりもボディが3割ほどスリムに、コネクタと本体を結ぶケーブルが細くなり扱いやすくなったという。
20kW化によって充電スピードが50kWモデルよりも2倍ほど伸びる。「三菱『i-MiEV』のバッテリーを容量0から8割程度まで充電するのに50kW版で30分かかるところを、20kW版だと倍の60分ほどはかかる」と同社。充電時間は伸びても設備面などにメリットがあると同社は続ける。
「電力会社との契約電力は50kWをひとつの境に決められている。入力AC200Vの場合は、契約電力は50kW未満(低圧)と決められていて、50kW版の急速充電器を設置しようとすると、高圧タイプのインフラ増強を行なわなければならない。20kWであれば、大規模な工事を行なわずに施工できるというメリットがある」(同社)
350万円ほどの50kW版は「約100台の受注を得た」(同社)という。充電スピードは落ちても初期コストが低く抑えられるこの“中速充電器”に同社は、「50kW版の受注台数を超えてくれれば」と期待を込める。