20日に開幕した名古屋モーターショーには輸入車展示が多い。エコカー以外元気がない国産車に比べ、あまりエコエコしていない輸入車は現実的な「夢のクルマ」という雰囲気で、クルマ好きにはとても楽しいショーとなっている。
◆エコムードは希薄
2号館全体を埋める輸入車だが、アメリカ車ではGMとクライスラーが出展。GMブースには韓国などで生産される2代目シボレー『クルーズ』がさりげなく置かれていた。Cセグメントの世界戦略セダンで、スズキが作っていた初代クルーズとは何の関係もない。展示車は右ハンドルだったので、おそらく最近発売されたインド向けの仕様だろう。
大人にも子供にも大人気の映画トランスフォーマー仕様の黄色い新型シボレー『カマロ』は、ペイントでなくカッティングシートで仕上げられていた。
◆パナメーラは人気殺到、XJも登場
好調なアウディ、新車ラッシュのフォルクスワーゲンが出展していないのは寂しいが、他のドイツ車は一通り揃っている。特にふだんはショールームの垣根が高いポルシェも、一般には初お目見えとなる『パナメーラ』までが平置きされているため人気殺到で、パナメーラの運転席に座る人も。
またメルセデスの『Sクラス・ハイブリッド』も注目が高く、ボンネット内の電池までをしげしげとながめる人が多い。ただ日本にはまだ1台しかないはずの新型ジャガー『XJ』はさすがに柵で囲われており、室内などを気軽に見られないのはちょっと残念。
◆何でもアリの展示館も
輸入車は2号館だけでなく1号館にも展示されている。今回は愛知県輸入自動車販売店協会が協力しているため、1号館は「ぴったりチョイス」と銘打たれた商談会スペースとなっており、こちらにも2号館に展示しきれなかった市販モデルが数多く並んでいた。1号館の展示となっているはロータス、そしてランチアだ。
特にランチア『デルタ』の1.8ターボジェット(ガソリン車)は国内に入ってきたばかりのモデルだ(販売はガレーヂ伊太利亜の代理店である渡辺自動車)。
1号館は他にもビンテージ輸入車や、ハマーのロングボディ、ドラッグカー、国産軽を改造したコブラなど、もはや何でもこい状態。展示状態はちょっとチープだが、クルマ好きなら十分楽しめる。こうしたフレンドリーさは東京モーターショーにはなかった部分と言えるだろう。