米国ホンダは3 - 6日、ラスベガスで開催されたSEMAショーにおいて、1974年式初代『シビック1200』のレース仕様車を展示した。
初代『シビック』は1973年、米国で発売された。第1次オイルショックの真っ只中にデビューしたシビックは、クリーンな排出ガス性能を備えた「CVCC」エンジンを搭載。大排気量V8がメインの米国ビッグ3に「対応不可能」と言わしめたマスキー法(大気汚染防止法)へ、いち早く適合させた。初代シビックは1977年、EPA(米国環境保護局)から、米国で最も燃費のいい車として認定。ホンダの名を米国に広めた立役者が、初代シビックである。
初代シビックは、モータースポーツにも積極的に参戦。シビック1200のレース仕様車が1985 - 90年、SCCA(スポーツ・カー・クラブオブ・アメリカ)主催のGT5選手権で、6度の勝利を勝ち取った。また1976年には、アラバマ州タラデガサーキットで、最高速チャレンジを実施。当時の大衆車としては驚異的な236km/hという記録を打ち立て、「世界最速のシビック」と呼ばれた。
米国ホンダのブルース・スミス副社長は、「ホンダの50周年は、カスタムカーに積極的に取り組んだ歴史でもある」とコメント。2009年のSEMAショーに初代シビックのレース仕様車を展示したのも、同車に対するホンダの思い入れの強さの表れだろう。
★SEMAとはスペシャル・エクイップメント・マニュファクチャラー・アソシエーションの略で、米国のアフターパーツメーカーの統括組織。毎年11月に開催されるSEMAショーは、日本のオートサロン、ドイツのエッセンショーと並んで、世界3大チューニングカーショーに位置づけられる。