スズキが第41回東京モーターショーに出品し10月21日から販売を開始した『キザシ』。エクステリアデザインは、ある意味奇をてらったプレスラインやキャラクターラインは持たず、面の張りで勝負をしている。
デザインを担当した四輪技術本部四輪デザイン部エクステリア課、金子唯雄さんは、「これといったキャラクターの新しさはありません。そういったものに頼らないで、このような面や質感を出すのは大変でした」と話す。
「クレイの状態で何回も削ってはシルバーのフィルムを貼って、外で確認の繰り返しでした」
その結果、現在のデザインが完成した。「風景が映り込んだ時に面の美しさがよく見えます。ドア周りなどは何も(キャラクターラインなど)ないので、ともすると単調になりがちですが、外に出て風景が映り込んだ時に新鮮に感じてもらえると思います」。
そのドア面に関して、「ドア周りは三次元的に丸くしています。日本車のサイドウインドウは大体二次曲面ガラスで、高さ方向への丸みは出来るが、車体前後方向の丸みはなかなか作れない。しかし、キザシは3次元での丸さを付けています」とこだわりを見せる。
「このデザインを任されたとき、個人的にはドキドキはしませんでした。しっかり格好よく作ろうとしただけ。そこで変なプレッシャーがかかるといったことはありませんでした。逆に新しいセグメントだからトライしがいがありました」と、デザインに自信を感じさせた。