【COTY09-10 選考コメント】ホンダのハイブリッドは正念場…長嶋達人

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イヤーカー(本賞)の選考は、今の時代としての重要課題であるCO2低減(省燃費も同じ意味)率の高いパワートレイン(動力系機構)の対決という観点を元にしつつ、自動車トータルとしての視界や乗り心地、各操作機構などを綜合的に判断して配点した。

さらに、パワートレインに関して、もう少し具体的に言えば、一つ目は、CO2排出に関する現段階での優秀なパワートレインとして「ハイブリッドシステム」が最良だという判断。もう一つは、『ゴルフ』に搭載されているような、従来のガソリンエンジンを主体としながら、電気に頼らずに燃費や環境性能を向上させているパワートレインはどれかという観点だ。

そのほかに注目されるパワートレインとしては「EV(一般電源を充電機構として用いるタイプのバッテリーカー)」もある。だが、このシステムは「廃棄物処理までを含め、また原子力発電などを含めて、将来的に、バッテリーを充電するための発電機構が十分に確保されているのか?」という自分自身としての疑問が解決されないかぎり、現段階としては、まだ完成したパワートレインとして認めることができない気がしている。

ただし、トルクの大きな加速感や安定した走行感など、自動車としての魅力は十分に満足できる完成度の高いEV車の仕上がりに対して、従来のガソリンエンジン搭載車とは違った期待感を抱いたのも事実。当面の問題として、現状のガソリンエンジン搭載車並みの航続走行距離が確保されれば、バッテリー充電に関する発電設備などに対する懸念などは吹き飛ばしてしまい、一挙に自動車パワートレインの王座に躍進してしまうのではなかろうか、という印象を抱いたのも事実だ。

最終的な選考開票の過程で対決状態になった『プリウス』と『インサイト』は、ハイブリッドシステムを採用して10年以上の技術的な蓄積と、それを元にした熟成度の高い「THS-II(トヨタ・ハイブリッドシステム)」に軍配が上がることになった。

『シビック・ハイブリッド』を含めたホンダ・ハイブリッドシステムの歴史は、ほぼトヨタと同じくらいの年数に達する。しかし“過去における実販売台数の差”には歴然とした違いがある。

これはハイブリッドの基本システムに対するユーザーの過去における評価の違いなのだと受け取れとれないこともない。とはいえ、ホンダのハイブリッドシステムは、これからが正念場。これから先数年の「IMA(ホンダ・ハイブリッドシステム)」に対する期待と「EV」の進化に期待を抱くことになった今年の「COTY選考雑感」ではありました。


長嶋達人|自動車ジャーナリスト/国家資格二級ガソリン自動車整備士
東京生まれ。初代クラウン登場時期に運転免許取得。以降、自動車との関わりを続け現在に至る。自動車雑誌編集、自動車サービス工場での整備・接客実務などを経歴後、自動車メンテナンス関連記事を中心に執筆。サービス工場勤務時、微妙な振動や音などに関するユーザーからの新車クレームに悩まされた経験が、現在の新型車試乗判断基準の一部にもなっている。過去の所有車は、セダン、SUV、コンバーチブル、軽自動車等、国産車・外国車含めて節操もなく多数代替え。これが「自動車ジャーナリストとしての肥し」になっているか否かについては疑問?
《長嶋達人》

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