日産自動車はCEATEC JAPAN 2009の会場で、『iPhone』を使ったエコドライブを判定するというシステムの体験走行デモを行っていた。
このシステムは、車の診断コネクタを利用し、それに無線LANのモジュールを接続する。このモジュールが車速データを飛ばし、iPhoneのWiFi機能で受信させ、専用のiPhoneアプリによって、加速、減速、巡航の3つについてスコアをつけてくれるというものだ。
デモでは、ソフトの処理能力などの関係で車速データだけを使った計算となっている。そのため、減速については、完全停止(0km/h)にならないと「巡航」時の減速と判断されてしまうなどの問題はあるが、急発進や急停車など燃費によくない運転をチェックし、結果を表示したり、指定のメールアドレスにスコアを送信したりしてくれる。
じつは、車速だけの判定なら、GPSによる移動情報と時間によってポータブルカーナビでも同様な判断は可能だ。実際そのような機能を持ったPNDやメモリーカーナビは存在する。しかし、診断コネクタからの情報をWiFiで飛ばすということは、可能性としては単純なエコドライブだけでなくさまざまなアプリケーションが考えられる。リアルタイムでロギングするには、ネットワーク帯域や端末側のCPUパワーなどボトルネックになりがちな要素があるが、燃料の流量を使ったより精密な燃費計算やエコドライブ判定も不可能ではない。
このiPhoneアプリは公開、市販されているものではないが、日産自動車では、可能であればこのようなソフトを公開していきたいとしている。
余談だが、この原理を応用すれば、カーナビやインパネの画面に『GT-R』のようなマルチファンクション画面(スピード、回転計、ヨー、トリム、水温、油温その他)はすぐに実現できそうだ。