老舗ならではの練り上げられた機能
インターネット上の地図サービスでもお馴染みのMapFanが提供するケータイナビの自動車向けサービスがMapFanナビークルだ。サービス提供元のインクリメントP(iPC)は、ケータイ向け地図を古くからサービスを行っており、この分野ではすでに長い実績がある。ナビークルについても、 iモード用カーナビアプリのバージョンはすでに3.5となっており、熟成されていることが分かる。
MapFanは独自の見やすい地図データを中心にさまざまなサービスを提供している。インターネットでの「ここです!メール」を使ったことのある人も多いだろう。携帯向けサービスは地図検索用のMapFan、徒歩ナビ用のMapFanアプリ、カーナビ用のMapFanナビークルがあり、月額315円の料金で入会すれば全てのサービスを利用できる。
MapFanナビークルの最大の特徴は、なんといっても地図データそのものにある。インクリメントPは多数のカーナビメーカーに地図データを提供しており、MapFanナビークルの地図もそれと同じもの。つまりカーナビ専用機と同じ地図をケータイで使えるのだ。すっきりとしていて視認性が高いことに定評のあるMapFanの地図は小さなディスプレイのケータイと相性がよく、非常に見やすい。カーナビを使い慣れている人なら、「見慣れたあの地図」という印象も持つだろう。
◆まさにカーナビの使い心地を実現
MapFanナビークルは起動するといきなりGPSによる現在地の確認が行われ、地図が表示される。カーナビ専用機なら当たり前だが、ケータイナビではメニューを飛ばしていきなり地図を表示するアプリは珍しい。この一点からも分かるとおり、MapFanナビークルは徹底してカーナビ専用機と同じ操作、同じ使い心地を目指している。
目的地を検索してガイドが始まるまでの操作もカーナビ専用機そっくりだ。とくに、ルート選択で「有料標準」、「有料回避」といったメニュー選択をすると地図上のルートが瞬時に変更されるのは確認しやすく、便利。やみくもにカーナビ専用機の操作をまねるのは無意味だと思う人もいるかもしれないが、こうして実際に使ってみると確かに便利だし、初めてでも操作がわかりやすいメリットもある。ケータイナビの一つの方向性として認めないわけにはいかないだろう。
ガイド画面はちょっと特徴的で、画面右側に曲がる方向の矢印が一覧表示される「ラリービュー」を採用している。コマ図を縦に並べたようなものだが、矢印の間隔は実際の距離に比例していて、「右折してしばらく直進したら左折」といった道順が直感的に分かるようになっている。
その他のガイド機能はやはりカーナビ専用機に近いもので、音声案内のほか交差点の拡大表示、レーン表示、案内板表示にも対応する。また、自慢の地図は最大10mスケールまで拡大表示が可能。さすがに多くのメーカーに採用されているだけあって描画速度と表示内容のバランスがいい地図で、すっきりしていながら必要な情報は表示されているし、スクロールも快適に操作できる速さは確保されている。