クラリオンのハイエンドAVN
クラリオン『クラスヴィア NX809』は、同社カーナビラインナップのうち、ハードディスク(HDD)を採用するハイエンドモデル。筐体デザインは高級感と落ち着きを重視したブラックのツートンカラーを新たに採用した。
◆地図を構成するデザインを一から見直し
最近は付加機能ばかりがクローズアップされるカーナビだが、ナビとしての使い勝手を左右するのは「画面に表示される地図が見やすいか、否か」ということ。付加機能がどんなに立派なものだったとしても、地図が見難いものだったらカーナビとしての意味がない。
NX809では、地図を構成する配色やテクスチャ、アイコンを見直し、デザインを一新。VGA高精細画面のクオリティを一段と引き上げた。具体的には、画面上に色付きで表示される道路(国道や都道府県道などの主要幹線道)の色合いやコントラストを調整。ルート設定時の誘導線やVICS渋滞情報線と混同しないよう、こまかな工夫が施されている。これにより視認性は格段に向上している。このあたりはメーカーへOEM提供してきた豊富な実績によって得られたノウハウと知見が生きている部分だろう。
◆1回分の地図データ更新が無料
さらに50mスケール以下の詳細市街地図では街区によって色分けがなされており、地図上から目的地を探しやすくなった。従来モデルでは薄く表示させていた建物も、NX809ではくっきりと表示させたほか、従来モデルでは採用されていたものの、視認性を損なわせる要因にもなっていた過剰な描写や表現も改められている。
また、地図データ更新(1回分/2011年冬予定)が無償で行えるサービスも実施。データはDVDでの提供が予定されている。長く使いたいオーナーにとっては嬉しいサービスだ。
◆日立製作所のプローブ情報を利用した高精度ルート
ナビの基本的な機能は先代から継承しているが、テレマティクスに対応させ、Bluetoothケータイを介して渋滞情報の取得ができるようになったことが09モデルクラスヴィアの大きなトピック。日立製作所が提供するタクシープローブ(交通情報提供サービス)の情報を利用できる。東京23区を皮切りに順次全国で拡大予定だ。VICSやプローブ情報が存在しない道では、周辺道路の混雑状況から通過時間を推測する“推定補完”という技術が採用されており、精度の高い到着予想時間が割り出されるようになっている。
また、同社が提供する地図情報共有サイト「チズルとススム」との連携を一歩進めたこともニュース。チズルとススムで作成した「MYツアー」をSDカード経由でクラスヴィアに取り込み、ナビ地図の下に写真一覧を表示させる「ピクチャービュー」で確認可能。ピクチャービューと「チズルとススム」は統一されたUI(ユーザーインターフェイス)なので、使い勝手は抜群だ。
◆定評のAV機能は従来モデルを踏襲、テレビはさらに機能強化
定評のAV機能も充実。4チューナー/4アンテナの地デジチューナーは、新たに高速サーチ対応となった。チャンネルをデータベース化しており、都道府県境を越えた際には、その時点で視聴しているテレビ局の系列局チャンネルで素早く切り替わる。
NX808に採用され、全座席で5.1chシアターサラウンドを実現するドルビー社のカーサウンドプログラム「DAEP(Dolby Automotive Entertainment Program)」は新モデルでも継承された。この他、パラメトリックEQ、タイムアライメント、後席モニター出力、dtsといった多彩なAV機能はクラスヴィアならではの魅力と言えそうだ。