ユーロNCAPコンソーシアムは27日、6車種の衝突テストの結果を公表した。テストを受けたのは、アウディ『Q5』、ホンダ『ジャズ』(日本名:『フィット』)、ヒュンダイ『i20』、キア『ソウル』、プジョー『3008』、スズキ『アルト』だ。結果は、アルトを除く5台が、総合評価で最高の5つ星に輝いた。
ユーロNCAPの衝突テストは、前面オフセットが64km/h、側面が50km/h、ポール衝突が29km/h、歩行者衝突が40km/hで実施。日本や米国の基準とほぼ同じ、世界で最も厳しい条件で行う衝突テストだ。
またユーロNCAPは、2009年2月から新評価システムを導入。評価の割合に応じたポイント配分システムを採用した。たとえば最重要視される「成人乗員保護性能」には、ポイントの50%を配分。「子ども乗員保護性能」と「歩行者保護性能」には各20%、エアバッグやABS、ESPなどの「安全補助装置の有無」には10%を配分する。最高評価の5つ星を獲得するためには、総合評価が70ポイント以上必要とされる。
今回の6台は、Q5を除けば、カテゴリーはスーパーミニ、もしくはスモールとなる。総合評価で5つ星を獲得したのは、Q5、フィット、i20、ソウル、3008の5台。アルトは3つ星にとどまった。
Q5は成人乗員保護性能において92ポイントと高い結果をマーク。ホンダフィットは、歩行者保護性能において、60ポイントと優秀な結果を残した。さらにQ5、ソウル、3008の3台は、全グレードにESPが標準装備される点が有利に作用。ソウルは、むち打ちを軽減するシート構造が高い評価につながった。
インドで生産され今春、欧州へ投入されたアルトは、日産『ピクソ』の兄弟車。アルトは成人乗員保護性能が55ポイント、子ども乗員保護性能が46ポイントと低かった点が、3つ星評価の要因だ。ESPがオプションなのも不利となった。
ユーロNCAPコンソーシアムは、「今回の小型車の結果は、ボディサイズが安全性の基準とならないことを示している」とコメントしている。
今回の5台に加えて、フォルクスワーゲン『ゴルフ』、トヨタ『iQ』、『アベンシス』、『マツダ6』(日本名:『アテンザ』)、三菱『ランサースポーツバック』(日本名:『ギャランフォルティス・スポーツバック』)が、すでに新評価方式のユーロNCAPで5つ星を獲得している。