ハイブリッドカーの先駆車、トヨタ『プリウス』の3代目はまだ発売前なので、プロトタイプに富士スピードウェイの外周路他で試乗した。
こちらは新型ホンダ『インサイト』と違って、すでに幅が3ナンバーサイズある現行モデルよりボディが大きくなっているが、北米での展開を考えればそれが必然だったのかもしれない。今日のような深刻な経済状況が訪れるとは、さすがのトヨタも予想できなかったわけだから。
モーターだけでも発進できるなど、ホンダの「IMA」よりモーターを積極的に使うトヨタの「THS II」ハイブリッド方式は、現行モデルがすでに新型インサイトをモード燃費で凌いでいる。そこにさらに、様々な改良を施した新型プリウスの燃費数値は、ボディの拡大にもかかわらず現行モデルを上回る。
サスペンションは適度にしなやかな印象で、運転感覚のスポーティさではインサイトに一歩を譲る反面、乗り心地の快適さに関してはプリウスがリードする。総じて、インサイトよりも大人なハイブリッドカーという印象だ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
吉田匠│モータージャーナリスト
1947年4月22日生まれ。青山学院大学卒業と同時に自動車専門誌『CAR GRAPHIC』の編集記者としてニ玄社に入社。スポーツカーのロードテストなどを主として担当し、ヒストリックカー、ツーリングカー、FJなどのレースにも参戦、優勝経験もけっこうあり。1985年、フリーランスのモータージャーナリストとして独立。自動車専門誌や一般誌に記事を執筆する。現在の愛車は 1970年アルファロメオ『ジュニアZ』、1991年ポルシェ『911カレラ2』、2005年VW『ゴルフGLi』。