民間調査会社のJDパワー&アソシエイツ社は「2008年中国自動車初期品質調査」の結果を公表した。全6カテゴリー中、5部門で日本車が第1位を獲得。中国の顧客の日本車に対する信頼性の高さを裏づけた。
調査は2000年に始まり、結果を公表するのは今回が5回目。新車購入から2 - 6か月が経過した時点で、顧客に車両に発生した不具合を指摘してもらった。JDパワー社は100台当たりの不具合件数を数値化(PPで表現)し、その数値が少ない車種を高品質車としてランク付けしている。
調査は2008年4 - 8月に聞き取り方式で行われ、43社102車種のオーナー、1万0719名から回答を得た。
全6部門中、最も多く首位を獲得したメーカーはトヨタとホンダで、それぞれ2台ずつが選ばれた。トヨタはミッドサイズ部門の『カローラEX』、ラグジュアリー部門の『クラウン』、ホンダはエントリーミッドサイズ部門の『フィット』、MPV部門の『オデッセイ』である。
とくに、オデッセイは2005年から4回連続の同部門1位。中国仕様のオデッセイは日本仕様と基本的に共通なので、その実力が中国でも認められたことになる。
カローラEXは2年連続の同部門1位。同車は北米仕様の先代カローラと基本的に同一モデル。中国では一汽トヨタで生産されている。
6部門中の残る2部門を制したのは、日産とフォルクスワーゲン。日産はアッパープレミアムミッドサイズ部門の『ティアナ』、VWはプレミアムミッドサイズ部門の『サジター』(日本名:『ジェッタ』)である。
ちなみに、今回の調査で100台当たりの不具合指摘件数が最も少なかった車種は、トヨタのクラウン。その数値は全車種平均が207PPのところ、72PPだった。クラウンは2005年3月から天津一汽トヨタで生産開始。すでに10万台以上の販売実績を持つ。クラウンは圧倒的高品質を武器に、中国の富裕層に好評を博しているようだ。
JDパワー社は「中国の顧客の車を見る目は年々厳しくなっている。とくに燃費を気にする傾向が強い」と語っている。