【MAPPLEnavi 登場】キャンバスマップル社長 インタビュー 後編…「“目標は常に期待の先に”を実践したい」

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【MAPPLEnavi 登場】キャンバスマップル社長 インタビュー 後編…「“目標は常に期待の先に”を実践したい」
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昭文社グループの電子事業の中核を担うMAPPLEnaviの開発を主業務とするキャンバスマップル。同社の井上志郎社長へのインタビュー後編では、今後の戦略と業界へのスタンスについて話を聞く。

◆カーナビが当たり前の時代に「おもしろい」と思わせるカーナビを

----:地図を使ったアプリケーションのうち、当面はPND向けのカーナビアプリの開発に注力していくというお考えでしょうか。

井上:PNDは現状、カーナビ専用機器という扱いですが、今後は多機能化が進んでいくでしょう。カーナビはそのマルチ機能端末の一機能という位置付けになると考えています。将来的には、PNDを含むカーナビだけでなく、あらゆるデバイスで昭文社グループのコンテンツを活かしていきたいと考えています。

----:今後キャンバスマップルではどのような商品をイメージしていますか。

井上:キャンバスマップルのスローガンは“目標は常に期待の先に”なんですが、われわれとしては、期待をもっと超えたものをつくりたい。クルマの運転は移動だけの手段でなはなくて、そのかたわらには常にカーナビがある。けれども、カーナビをただ道具として使うのではなくて、カーナビがあるともっとおもしろいよ、ということを伝えたい。“便利”よりも“楽しい”ことが重要なんです。カーナビがあって当たり前で育った世代の子供たちに「このナビおもしろい!」と思わせるようなものをつくりたいですね。

----:携帯電話はメールやWebやアプリなど、「通話」以外の部分で価値を創造してライフスタイルを変えてきました。

井上:カーナビも同様です。カーナビを付けることで事故を回避できた、楽しい体験ができた、というように。ドライバーや乗員が恩恵を受けられるものを目指したいですね。

◆「失敗は恐れない」

----:CPUの能力が上がり、ストレージの容量が増し、通信速度が速く安くなっていくことは自明です。ITの世界は進むべき方向がある程度みえています。

井上:そうなると、商品の価値はデータ量ではなくて、アイディアで決まります。足らないのは技術だけではなく、発想なんですね。昭文社グループが抱えているエンジニアは、カーナビの開発だけでなく、地図会社出身もいれば、PCのアプリ開発に携わってきた者もいます。それぞれがいろいろなアイディアを持って働いています。開発はそれぞれ何がやりたいのか、からスタートします。

----:5月に発表された昭文社の中期経営計画では、電子事業の売上を現状の3.5倍の141億円まで伸ばすと明言しています。

井上:先ほど挙げた“ひとりひとり発想を大事にする”ことを事業推進の根本テーマに、目標達成へ努力しています。

----:キャンバスマップルは生まれたばかりの会社ですから、とにかく何か生み出さなければならないということですね。

井上:カネがあっても人材がいなければ何もできませんが、当社は幸いにして優秀な人材が集まってくれています。うちのエンジニアは「次に何をやらせてくれる?」と聞いてくる。いまあるものをつくり続けるけることに関心はありません。失敗することもあるかもしれません。でも失敗を恐れていてはなにも作れない。

----:井上社長のその信念はどこで培われたものでしょうか。

井上:14、5年前のことでしょうか、わたしは昭文社時代に「マップルライフ」という電子地図ソフトの開発に携わっていました。Windowsも95ではなく3.1の時代で、フロッピーディスク20枚のパッケージソフトでした。

今だから言えますが、リリース直後はクレームの電話が鳴りっぱなしでしたよ。商品のバグもありましたが、当時は電子地図なんてものはほとんどありませんでしたから、ユーザーも地図ソフトの使い方が分からないのです。このときほど世に製品を出すことが怖いと思ったことはありません。でも、その経験がなければ今の「スーパーマップルデジタル」(SMD)やMAPPLEnaviはきっとなかった。いまのSMDの完成度を目の当たりにすると「よくまあここまでやったなあ」と涙が出てきますよ(笑)。失敗を恐れていてはダメなんですね。

----:いま、キャンバスマップルの職場は活気があるのではないですか。

井上:そうですね、MAPPLEnaviが出たことで一区切り付いて、また新たなアイディアが次々と生まれています。わたし自身、これからが楽しみです。

《聞き手:三浦和也》

《まとめ・構成 北島友和》

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