08年夏に登場したクラリオンのAVNラインナップは、高機能の『クラスヴィア』、ベーシックの『スムーナビ』の2ライン体制となった。ブランド再構築の経緯と、両モデルの特長について、開発にあたった技術開発本部の安藤邦弘氏に話を聞いた。
ハイエンドとベーシックに分け、商品の性格付けを明確に
----:この夏のクラリオンはラインナップ構成とネーミングを変えてきましたね。
安藤:AVNは『クラスヴィア』、『スムーナビ』の2モデル、そしてPNDの『ドリブトラックス』を加えた合計3ラインで展開していきます。AVNをハイエンドとベーシックに分けることで、個々のラインの性格付けをよりはっきりさせたというカタチです。
----:以前のWindows CE for Automotiveを搭載した『AutoPC CADIAS』や昨年投入したPNDのドリブトラックス、そして今年の『スムーナビ』などを見るに付け、クラリオンさんは車載器メーカーとしては急進的というか、マーケットに常に問いかけをしています。
安藤:常に何かを仕掛けていないと、最大手に食われてしまうという危機感はありますね。われわれはカーナビの市場においては先発でしたから、後発メーカーに負けたくないという意地もあります。
◆OEMのカスタマイズに対応できる機能の幅を持たせる
----:御社は市販ナビだけでなく、OEMでも強みを発揮されていますが、市販ナビの展開がOEMに与える影響、またはその逆はありますか。
安藤:市販モデルをベースにしてOEMを展開していますが、市販モデルをそのまま出すのではありません。各自動車メーカーが要求する機能追加要件にも対応していく必要があります。市販モデルの開発に当たっては、それだけ機能の幅を広げられる設計をあらかじめしておく必要があります。
----:アゼスト(ADDZEST)ブランドを2005年で終わらせ、昨年は『クラリオン』に統一、そして今年からクラスヴィア、スムーナビという新ネーミングを立ち上げました。この経緯について教えてください。
安藤:昨年は型番から通称を取った『MAX』シリーズを展開していたのですが、機能よりも価格で買われるお客さんが多かったという事実がありました。機能を把握しきれないお客様が多かったようなので、シンプルで使いやすさを求めたスムーナビと、よりスペックと機能を追求したクラスヴィアの2ラインとあらためてネーミングを与えました。