【池原照雄の単眼複眼】ホンダ、再び「日本発」の生産改革

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◆1ドル=90円台でも競争力を維持

ホンダが日本の生産現場の改革に乗り出す。今年4月に稼動した熊本製作所の新2輪車工場をはじめ、2010年までに相次いで新設・稼動する4輪車工場を舞台に「ものづくり体制の革新」(福井威夫社長)を進める。

2000年当時に、1ライン8モデルの生産が可能という「フレキシブル改革」を実施して以来の大掛かりな取り組みであり、その成否は2010年以降の同社の競争力を決定づけることになろう。

熊本の2輪工場は、国内生産の同製作所への集約も図る狙いで新設された。09年前半には年50万台のフル稼働に入る。3本のメインラインと15基のセル生産用ラインを設置し、原付コミューターから大型バイクまで60機種もの生産をこなす。

セルラインは高級機種の生産のために導入したもので、ベテランの技能者を中心に1台の組み立てを数人で担当する。新工場は従来に比べて要員の効率を2割程度向上させる計画で、福井社長は「1ドル=90円台の為替水準でも高い競争力を保てる」と自信を示す。


◆使用エネルギー3割削減の寄居工場

4輪は昨年、埼玉県内で相次いで着工した小川エンジン工場(同県小川町、年20万基)、寄居4輪車工場(寄居町、年20万台)、さらに子会社の八千代工業が四日市製作所(三重県四日市市)に新設する軽自動車の一貫工場で最先端の生産システムを構築する。

小川は09年前半、寄居と八千代の新工場は10年に稼動する。小川ではディーゼルを含む環境対応エンジンを集中生産する計画で、燃料や気筒数の異なるエンジンを柔軟に効率よく生産できるラインを導入する。

車両組み立ての寄居は、熊本同様に要員効率を2割引き上げるほか、環境負荷低減や品質管理でも新たな取り組みを展開する方針だ。生産に投入するエネルギーは最適制御システムの導入などにより、既存の狭山工場(埼玉県狭山市)に比べ3割以上の削減を図るという。


◆生産改革のイニシアチブは日本

品質面では部品単位から完成車、顧客まで生産履歴をトレースできる仕組みを導入、生産過程や納車後の不具合対策などが迅速にできるようにする。また、組み立てラインでは作業者の姿勢などに配慮したユニバーサルデザインによる設備・工具などを多用する計画だ。

2輪、4輪とも生産数量の主体は海外に移って久しいホンダだが、生産改革は日本がイニシアチブを執るべきというのが福井社長の方針。自社の技術蓄積に加え、「部品や素材、さらに生産設備の革新的な技術は日本で生まれる」からだ。

ホンダの世界販売は今年度、初めて400万台に到達する見込み。成長力を維持し次の大台を手繰り寄せるには、今後3年で取り組む日本発の生産改革の成功と、そのスムーズな海外展開が条件となる。
《池原照雄》

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