レクサス『LS600h』用がベースの心臓は、より大排気量を採用することもあって同じく8気筒ユニットを積むに至った新型BMW『M3』をも圧倒する迫力をアピール。
とくに、3600rpmから明確なる重低ビート音を加えるサウンドチューニングは、トヨタ製とは思えない(?)秀逸なるもの。
やはりLS用の8速ATをアレンジしたトランスミッションは、スポーツモードで使った際のシフトの素早さやダイレクトなトルク伝達感がなかなかだが、ベースがトルコンATゆえかエンジンのレブリミットが6800rpmと低く抑えられているのは残念。
さらに残念なのはフットワークの仕上がりで、ちょっとした凹凸を拾って大袈裟な上下Gを生み出すチューニングはおよそ『レクサス』のブランドにはふさわしくない。継ぎ目の続く首都高速上の後席では、メモを採ることすら困難! やはりここは電子制御の助けが必要か? いずれにせよ早急なるリファインを希望したい。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★☆
インテリア/居住性:★★★☆☆
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★☆☆☆☆
オススメ度:★★☆☆☆
河村康彦|モータージャーナリスト
1985年よりフリーランス活動を開始。自動車専門誌を中心に健筆を振るっているモータージャーナリスト。愛猫家なのに猫アレルギーが発症し、このところ辛い毎日……