トヨタ、富士重工への出資拡大を10日発表へ

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トヨタ自動車は提携先の富士重工業(スバル)への出資を拡大することで富士重側と合意、10日にも両社の首脳が東京で会見して発表する。トヨタは現在、8.7%を出資する富士重工の筆頭株主だが16.9%まで引き上げ、開発や生産面での関係を強化する。

トヨタは2005年10月に富士重工が米GM(ゼネラルモーターズ)との資本提携を解消した際、GMが保有していた約20%の富士重工株のうち8.7%を取得していた。翌06年3月にはトヨタ車の生産委託や両社の車両の共同開発など広範な業務提携で合意した。

昨年には富士重工の米工場でのトヨタ『カムリ』の生産や、トヨタの子会社であるダイハツ工業から富士重工への小型車OEM供給などがスタートしていた。

今回トヨタが取得するのは、05年にGMが放出した富士重工株を同社が自社株購入し、金庫株となっていた約6423万株(発行済み株式の8.2%)。取得額は300億円前後となる見通し。公正取引委員会は、トヨタの追加出資について独禁法上の問題はないと判断した。

出資拡大後もトヨタは当面、役員の派遣は行わず、富士重工による主体的な経営を尊重する方針。出資拡大は富士重工の設備資金などに充当される予定で、両社は受委託生産の拡大やすでに着手している小型スポーツカーの共同開発などを加速させる。

ただ、トヨタが出資拡大を決めた背景には、将来、富士重工を子会社とする場合も同社の技術力や航空機事業など十分なメリットがあると判断したことがある。更なる資本提携の強化という局面は、そう遠くない将来に訪れそうだ。

《池原照雄》

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