【D視点】閉塞したカーデザインの突破口!…フィアット500

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【D視点】閉塞したカーデザインの突破口!…フィアット500
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期待されるレトロモダン

「ポストモダン」とはモダン(近代)の次ということ。モダニズムを批判することにより、モダニズム(近代主義)の行き詰まりから脱却しようとする動きで、哲学、思想、文学など多くの分野に広がっている。

インダストリアルデザインの分野では、デザイン集団「メンフィス」が知られる。先日、亡くなったイタリアデザイン界の巨人エットレ・ソットサスが中心となって、建築家やインダストリアルデザイナーが集まり1981年にメンフィスが結成され、世界のデザインに大きな影響を与えた。

具体的には、機能主義に基づくモダニズムデザインに対する反動として、多様性、装飾性、そして折衷性などを特徴とした。しかし、このような思想は当時の大量生産のクルマのデザインに影響を与えることはなかった。

新型500のように過去のデザインを応用する手法は、大手カーメーカーとしては『ニュービートル』や『MINI』に次ぐものだが、最近では世界各地で見られる傾向だ。クルマの世界にも、ポストモダン的な考え方が遅れて到来したようだ。

見方によっては、クリエイティビティに欠けるデザインの新型500だが、欧州カー・オブ・ザ・イヤーを始めとして、多くの賞を受賞したことは、クルマのデザインの閉塞したモダニズム脱却の突破口として、レトロモダンに期待がかかっているともいえる。

D視点:
デザインの視点

筆者:松井孝晏(まつい・たかやす)---デザインジャーナリスト。元日産自動車。「ケンメリ」、「ジャパン」など『スカイライン』のデザインや、社会現象となった『Be-1』のプロデュースを担当した。【D視点】連載を1冊にまとめた『2007【D視点】2003 カーデザインの視点』をこのほど上梓した。
《松井孝晏》

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