アクセルONとともにほとんど間髪を入れずに力強い加速を始めるさまは、さすがは電気モーターアシストの成せる技。
その後は、5リッターのV8エンジンが生み出すトルクとのコンビネーションにより、シームレスに続く息の長い強力加速感が、このクルマならではの「新時代の高級車」観を色濃く演出する。
『LS460』で定評の静粛性にもさらに磨きが掛かり、初代『セルシオ』から続く「世界一静かなクルマ」というアイデンティティを見事に昇華させて継承。
いっぽうのウイークポイントは、LS460比で300kg近いレベルまで増えてしまった重量と、駆動用バッテリーに占領され容量/形状ともにこのクラスの標準レベルを大きく下回るトランクスペースの使い勝手。とくに後者は、欧州市場における競争力を考えると致命的とも思えるもの。
日本市場でも、“ゴルフ族”が購入を断念し、やむなくLS460を選ぶ例も少なくないと聞く。
■5つ星評価
パッケージング:★★★☆☆
インテリア/居住性:★★★☆☆
パワーソース:★★★★☆
フットワーク:★★★☆☆
オススメ度:★★★☆☆
河村康彦|モータージャーナリスト
1985年よりフリーランス活動を開始。自動車専門誌を中心に健筆を振るっているモータージャーナリスト。愛猫家なのに猫アレルギーが発症し、このところ辛い毎日……