【CES 08】ワゴナーGM会長、自動運転ビジョンへの参加を呼びかける

エコカー 燃費

8日(現地時間)、米ラスベガスで開催中の世界最大の家電展示会「CES」で、ゼネラルモーターズ・コーポレーション(GM)会長兼CEOのリック・ワゴナー氏による基調講演が行われた。自動車メーカーによる基調講演は、41年のCES歴史上初という。

ワゴナー氏は、コンセプトカー『VOLT』に乗ってステージに登場、まず、これまでの自動車とエレクトロニクスとの歩みを紹介した。

「車は、いわば『洗練された家電製品』であり、自動車業界は家電業界と一緒に歩んできたとも言える。古くはカーラジオから始まり、カーナビ、エアバック、エンジン制御、スタビリティコントロール、最近ではテレマティクスなど、多くの家電製品が車に搭載されている」


■ドライバーに安心を与える機能『OnStar』

GMが提供するテレマティクスサービスのOnStar(オンスター)は、いまや命を守る機能となってきているという。

「OnStarはGMの11車種に搭載されている。現在、820万人の加入者がおり、1700の衝突検知実績があり、事故調査に繋がる多くの情報を得られるようになっている。事故を解析して、どのような状況で事故が起きやすいのかデータを収集することで、今後の事故防止に繋げられる」

またOnStarのGPSを使った盗難車の発見機能では、盗難車のドライバーに警告を出し、さらに遠隔操作で車を強制的に減速させる機能があり、危険なカーチェイスを避けながら車を取り戻すことができる。アメリカでは盗難車追跡によるカーチェイスで年間約3万件の事故が起きているという。

また昨年の11月には、OnStarの中国での展開を発表していることも紹介した。


■安全性の向上

自動車同士がコミュニケーションする「V2V(Vehicle to Vehicle)」と呼ばれる技術概念がある。現時点では、GPSと衛星トランスポンダ(電波中継機器)システムを組み合わせており、車間距離を関知したり、衝突を防いだりする。

さらにGMは、カーネギーメロン大学と協力して無人走行の研究も進めている。正式名称は、「Sophisticated Automatic Vehicle」。シボレー『タホ』ベースのロボットカー「BOSS」号は、DARPA(Defense Advanced Research Projects Agency =米国防総省高等研究計画局)主催による無人ロボットカーのレース「DARPAアーバンチャレンジ」で、55マイル=90kmを4時間以内で走った実績がある。

また車線を変えたり、高速道路を乗り降りしたほか、砂漠や都心部での走行も実証済みだそうだ。将来、乗員がメールを送ったりビデオを見たりしながら、車は安全に走行できるようになるという。

ワゴナー氏は「この無人走行の研究は、コンシューマエレクトロニクス業界に革命をもたらす。同業界も研究に参加し、開発を進めていくべきだ」とコンシューマエレクトロニクス業界にたいし自動運転研究への参加を呼びかけた。


■環境保全への試み

近年の「石油の高騰」、「燃料を石油だけに依存しない」、「CO2の削減」などの課題に対し、GMでは様々な燃料を採用している。燃料は持続的な供給が可能で、よりクリーンなものであるべきとワゴナー氏は主張する。

GMでは「FLEX FUEL」とよぶ、エタノールとガソリンとの混合燃料(エタノールが最大85%)で走るエンジンの普及ですでに250万台の実績があり、これを2012年までにGM車の50%に搭載する計画だ。

さらにプラグインハイブリッドや燃料電池にフレキシブルに対応するプラットフォーム「E-Flex」を開発、冒頭のコンセプトカー『VOLT』にも利用されている。VOLTの次に自走して登場したのがキャデラック『PROVOQ』で、これはE-Flexを採用した水素燃料電池車である。車載水素タンクで300マイル=480kmを走行し、それ以前の水素燃料電池車より30%パワーアップしている。

ワゴナー氏は、「自動車はコンピューターのようになってきている。エレクトロニクスは自動車の環境性能・安全に貢献している。エレクトロニクスと連携することで、自動車はよりクリーンで安全に、そしてエキサイティングになるだろう」と講演を締めくくった。
《工藤めぐみ》

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