バージョンS・Iパッケージ(1110万円)を約300km走らせて、満タン法で記録した燃費は8km/リットルだった。オンボードコンピュータの表示も8km/リットル台前半。ビミョーである。
ビッグV8を積み、車重も『LS600h』と同クラスの『レンジローバー』級大型SUVの実用燃費が5km/リットル前後であることを考えると、瞠目すべきかもしれないが、もっとも身近なライバル、レクサス『LS460』は、以前の試乗で7km/リットル台を記録している。
LS460は600hほど速くはないが、すべての点で、そんなに違うわけではない。燃料代で“ハイブリッド代”の元を取るのは、おそらく不可能だろう。なんて考え方はしちゃいけないんでしょうね。
クルマに湯水の如くお金を使うミリオネアでも、好燃費、つまりCO2削減に気を使っているとアピールできる時代が来た。ま、大型高級省エネ住宅みたいなものか。
悪路で床がフルフルするような、サスペンションの制振の甘さは、LS460とも共通の弱点。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★☆
インテリア/居住性:★★★★☆
パワーソース:★★★★☆
フットワーク:★★★☆☆
オススメ度:★★★☆☆
下野康史| モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集部を経て、モータージャーナリストに転身。現在はクルマ雑誌を始め、週刊誌のコラムなど幅広く執筆活動を行っている。親しみやすい文体のなかに見える、鋭い着眼点や独特の語り口にファンは多い。