日産『GT-R』には480ps/60.0kgmという驚異的なスペックを発揮する、GT-R専用の3.8リットルV6ツインターボエンジンが搭載されている。
日産GT-Rの開発を取りまとめた水野和敏さんは「GT-Rのエンジンは非常に細かい部品などはスカイラインのVQエンジンと共通のものがありますが、シリンダーブロックやピストンなど主要部品はすべて専用に設計しています」
「このエンジンはすべて手作業で組み立てられています。このエンジンを組み立てることができるのは、日産でも高い技術力を持った12人の匠(たくみ)と呼ばれている人たちです。この匠たちがダストのないクリーンルームで組み立てていますので、一日で数機しか作ることができないのです」
「組み立てられたエンジンは最新の計測装置によって入念にチェックされてからクルマに搭載されます。またクルマを出荷する際にも実走テストを行なって、基準をクリアしてからではないと出荷しません」と話す。
エンジンを手作業で組み上げるというクルマは過去に何台かあったが、クリーンルームまで用意し、多くの行程を手作業で組み上げるというエンジンは最近では少ない。まるでレーシングマシンのエンジンを製作するように、丹精を込めてGT-Rのエンジンは作られているのだ。