F1日本GP開催(9月30日決勝)を目前に控えた25日、ホンダ陣営も都内で壮行記者会見を開催。「Honda Racing F1 Team(HRF1)」と「SUPER AGURI F1 TEAM(SAF1)」両チームのドライバーおよび首脳陣が、富士スピードウェイでの戦いにかける意欲を語っている。
意図してかどうかはともかく、ホンダの日本GP直前定例会見はエポックメーキングな会見になることが多い。一昨年は「11番目の新チーム」発言が大島裕志・ホンダ執行役員から飛び出した(のちにSAF1のことと判明)。昨年はHRF1のハンガリーGP優勝を経て、凱旋記者会見的な色を帯びた。
さて、今年は……?
残念ながら、意欲的なマシン開発へのトライが結果にむすびつかず、不本意きわまりないシーズンを過ごしているホンダ。だからというわけではないだろうが、今回は中本修平・HRF1シニアテクニカルディレクターによる、さながら“低迷打開への技術論文発表会”のような趣意の会見となった。
これにニック・フライCEO(HRF1)の“チーム強化のための人材確保経過報告”が加わり、ハード、ソフト両面での2008年以降への立て直し策が披露されたかっこうだ。
大島執行役員の「ホンダのチャレンジングスピリットの原点は、失敗を恐れず、あきらめず、勝ちにこだわって挑戦し続けること」というセリフが、まさしく今季のHRF1を象徴しており、「この経験を活かしながら、来季のマシン“RA108”の開発に一丸となって取り組んでいる」というわけで、チームの主眼が来季に向いていることも確かだ。しかし、富士での日本GPをあきらめたわけではない。「厳しいだろうが、今、出せることをすべて出していく」(大島執行役員)。
復活への契機となる戦いを演じるために、HRF1は日本GPに全力をもって臨む。