日産自動車は、同社の水素フリーDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)コーティングが、経済産業省主催の「第2回ものづくり日本大賞」の製品・技術開発部門で、優秀賞を受賞したと発表した。
ものづくり日本大賞は、日本産業・文化の発展を支え、豊かな国民生活の形成に大きく貢献してきた「ものづくり」を着実に継承・発展させていくため、最先端の技術から伝統的・文化的な「技」まで幅広い分野について中核を担う中堅世代のうち、特に優秀と認められる人材、グループに対して表彰を行う制度。表彰式は29日に行った。
今回、産業・社会を支えるものづくりとして、高度な技術的課題を克服し、従来にない画期的な製品・部品や生産技術の開発・実用化を実現させたグループとして、日産は共同開発したリケン、日立製作所、日本アイ・ティ・エフと連名で同賞を受賞した。
受賞した社の水素フリーDLCコーティングは、低摩擦性、耐摩耗性に優れるDLCの膜内に水素を含まない構造を採用し、潤滑油中での摩擦抵抗の低減効果を大幅に向上させた。この技術は新型『スカイライン』から採用した「VQ35HR」、「VQ25HR」のバルブリフターに採用され、カムとバルブリフターの間のフリクションを約40%低減させている。
水素フリーDLCコーティングは、第57回自動車技術会賞で技術開発賞、2006年度日本機械学会賞(技術)も受賞している。