トヨタ自動車の鈴木武専務は9日の決算発表会見の席上、市場の縮小で苦戦を強いられた06年度の国内販売の減益幅(営業収支段階)が、おおよそ300億円になったことを明らかにした。
前期のトヨタ単体の販売シェア(登録車市場)は45.8%となり、決算年度ベースでは過去最高を達成した。
しかし、販売台数は約166万台にとどまり、前々期(05年度)より11万台(6.2%)減少した。レクサス『LS』の投入により車種構成は改善したものの「11万台の落ち込みはカバーできなかった」という。
06年度は輸出が22%伸びたため、単体決算での海外向け車両による増益効果が約1900億円に及んだ。国内販売の減益を吸収、差し引き1600億円の増益効果となった。
07年度(08年3月期)は、5月以降に新モデル投入が本格化、単体の国内販売は前期比3.4%増の172万台を計画している。
鈴木専務は「LSが予定通り売れていることや新モデル投入により、今期は台数だけでなく収益面も改善できる」と観測している。