『i』(アイ)は軽自動車のポルシェである。というのがワタシの正直な印象だ。
雪上では、短いホイールベースそしてリアエンジンの特性で、かなりピーキーな操縦性だと覚悟して試乗したのだが、あまりにコントロール性が高いことに驚いた。
ウデに自信があれば、かなりのレベルでドリフトコントロールが自在。しかも、軽い車重でステアリングとダイレクトに反応するアジリティ(回頭性)をきちんと残している。このアジリティはサーキット走行でも健在だが、さらにリヤサスペンションのグリップレベルも高くなるので、軽とは思えないくらいのコーナリング性能を発揮する。
サスペンションは柔らかく、ロール角そのものも大きいほうだ。他のほとんどのFF軽が終始アンダーステアな操縦性なのに対して、i はコーナー進入で弱アンダーな操縦性を示し、そのときにアクセルを踏み込むとリヤが回り込むようにしてアンダーを消し去る。でも、けしてオーバーステアにはならないんだ。だから、サーキットではものスゴく速かった。
■5つ星評価
パッケージング:★★★☆☆
インテリア/居住性:★★★★☆
パワーソース:★★★★☆
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★☆
松田秀士|モータージャーナリスト
GTでフェラーリを駆る現役レーサー。INDY500やルマンなど海外レースにも積極的にチャレンジする。すでに49歳が目前という年齢ながら、まだまだ走る。モータージャーナリスト活動にも積極的。日本カーオブザイヤー選考委員。