日本では月に1000台くらいしか売れないが、米国では年間40万台も売れるのが、この『カムリ』だ。だからすべてが米国人好みになっているようで、ボクの感覚とは合わない。
一番気になったのはハンドルのフニャ感だ。『ブルバードシルフィ』でも説明した直進付近のニュートラル感がフニャとした感じで頼りない。シルフィのような大きな遊びはないが、手ごたえがなくタイヤのグリップがどれくらい発生しているのかがわからない。
急なハンドル操作でもリヤが滑って不安定になってしまうようなことはない。コーナーでもハンドルを切ったぶんだけ曲がってきてくれる。それでも自分が運転しているという感触からは程遠い。
このクルマはハンドリングを優先するような人、ドライビングに興味があるような人は買わないだろうから問題ないのかもしれない。しかし、そんなドライバーが運転するからこそ路面のグリップが自然に伝わってくるクルマのほうが安全に走れるのではないだろうか。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★☆
インテリア/居住性:★★★★☆
パワーソース:★★★★☆
フットワーク:★★★☆☆
オススメ度:★★★☆☆
こもだきよし| モータージャーナリスト
クルマ好きというより運転が好きなモータージャーナリスト。日本自動車ジャーナリスト協会副会長、BMWドライバー・トレーニングのチーフインストラクター、JAF交通安全委員会委員、警察庁各種懇談会委員などを務める。