新型三菱『パジェロ』(4日発表)は、フロント部分のコーナーを大胆に削ぎ落とした「ダイヤモンドカット」が特徴的なデザイン。そこに位置するヘッドランプの中には様ざまなアイデアが織り込まれている。
三菱自動車工業デザイン本部デザイン部エキスパートの槇村優さんは、「フロントコーナーをカットし、タイヤがすぐ後ろに来ている関係で、ランプを収めるスペースの奥行き(前後長)が非常に小さい(薄い)。その中でどうやってヘッドランプの高級感や奥行き感を表現するか、非常に苦心した部分だ」という。
「まず、フロントグリルのバーをランプの中まで伸ばすことで、奥行き感を表現した。また、山猫の『瞳』をイメージした縦長のインナーレンズの後ろ側からスモールランプ光が広がり、より立体的に見えるようにしている」と話す。
また、フロントコーナー部分をカットしている関係で、車に近い位置、特に左右どちらかに寄った位置からだと反対側のランプが奥へ行ってしまい見えない場合がある。「反対側のフロントウインカーが見えないのでは法規上NG。ウインカー部分に水平方向のクリスタルバーを通し、その内側(車体中心方)を向いた断面に光が伝わることで、ウインカーランプが直接見えない位置でも点滅する光が見えるように工夫している」という。