排気量3.8リットルおよび3リットルの2種類のV6エンジンを搭載する三菱自動車の新型『パジェロ』。3.8リットルV6はアイドリング近辺で約25kgm、2750rpmで最大トルク34.5kgmを発生するという力強さ、3リットルV6はリーズナブルな価格設定が売りだ。
どちらも旧型の改良で、熟成の進んだユニットだが、2トンを超える重量級クロカン4WDにガソリンエンジンというのは、燃費の点ではやはり辛い。経済性重視のエンジンといえば、かつてはディーゼルと相場が決まっていたが、日本では排ガス規制の強化でディーゼルモデルは壊滅状態。ディーゼルファンにとっては、いつ規制対応ディーゼルが出てくるかは大いに興味の湧くところである。
実は新型パジェロ、海外では3.2リットル(170ps)、2.5リットル(136ps)の2本の直4ターボディーゼルも販売されている。直噴方式を採用し、欧州の排ガス規制、EURO4を楽々クリア、EURO5対応も視野に入れる新スペックのエンジンだ。
このディーゼルエンジンを日本に投入する考えはないのだろうか。三菱の公式回答は、「現時点では投入せず、今後の投入計画もない」というもの。
だが、ある三菱関係者は、「パジェロクラスのSUVでは、ディーゼルの需要が少なからずあるということはわかっています。実は、すでにディーゼルの投入は検討していまして、排ガス成分でもいちばん厄介なNOx(窒素酸化物)の処理をどのような方法でやるか、コストも含めて精査している段階です」と、舞台裏について語る。
ちなみに現行規制への対応は、技術的には充分可能だという。現時点ではラインナップされていないが、今後、規制に対応した新世代ディーゼルの登場にはかなり期待が持てる!?