新型レクサス『LS』に搭載されるエンジンは2種類。ノーマルモデルには4.6リットルV8、ハイブリッドモデルには5.0リットルV8が組み合わされる。いずれも直接噴射システム「D4-S」、電磁可変バルブタイミングシステムなどを装備する新世代V8だ。
4.6リットルV8は、先行して発売されている『GS』、『IS』などに搭載されている3.5リットルV6「2GR-FSE」と“遠戚関係”にある。シリンダーのボア×ストローク(内径×行程)は94×83mmと共通で、1気筒あたりの排気量は約576cc。V6の3456ccに対し、V8は4608ccとなる計算だ。
スペックは最高出力約380ps、最大トルク約50kgmと公表されている。リッター当たりの出力は約82.6psと、大排気量エンジンとしてはきわめて大きく、BMW『7シリーズ』やメルセデスベンツ『Sクラス』などのライバルを大幅にしのぎ、世界のハイパフォーマンススポーツカー向けエンジンに近い。
「エンジンの効率をできる限り高めようと考えた結果、排気量やボア×ストロークなどのディメンションを決定しました」(エンジン開発担当者)という。トヨタは現行『セルシオ』のエンジンでもボア×ストロークを91×82.5mmと、若干のショートストロークレイアウトを採用している。近年、世界的にみても大排気量エンジンはショートストロークがトレンドになっているが、この新V8もそのトレンドに合致した仕様である。
ハイブリッド用には、キャパシティを5.0リットルに拡大したV8が搭載される。こちらは最高出力約430psという数値のみが公表されている。これはエンジン出力、バッテリー出力の合算値で、自然吸気6.0リットル級に匹敵する出力だ。