19日、ダイハツは新型軽自動車『ESSE』(エッセ)を発売した。今秋の第39回東京モーターショーで同名の参考出品車としてプレビューされていた。スペース重視のミニバンタイプが軽自動車の主流となるなか、ダイハツはこのエッセで軽2ボックスセダン型の魅力をユーザーに訴え、ラインナップに幅を持たせる構えだ。
エッセを新規投入する最大の狙いは、軽自動車トップメーカーであるスズキのキャッチアップだ。05年の1−9月の販売状況をみると、軽乗用車の主戦場であるミニバンではダイハツは『ムーヴ』シリーズのヒットなどによって月平均2万4000台を売り、同2万2000台のスズキに差をつけている。
が、セダンではスズキが月平均1万5000台売っているのに対し、ダイハツは1万1000台弱。セダンのラインナップ強化を強化すれば、ダイハツの悲願であるスズキとの首位交代の道も見えてくる。そのためエッセは、高品質、豪華路線を行くダイハツの軽セダンの主力である『ミラ』シリーズとまったく異なるキャラクターが与えられており、両モデル間でのユーザーの重複は極力避けられている。
コロリとしたかわいらしいスタイリングと華やかなカラーリングが与えられた普段着感覚のエッセは、ダイハツの今後を占う、きわめて重要な戦略車種なのである。