★フランス流クルマの愛し方
フランスと聞くとまずパリを連想する人が多い。私のフランス体験で最も印象の強かったのは、やはりパリのとある格式の高いホテルでの出来事だった。
制服を着た割腹のよい年配のフロント係りと話していた時だが、強いアルコール臭に気づき、場違いなところにいるような居心地の悪さを感じてしまった。職場のランチにワインの出るお国柄であることくらいは知ってはいたが、酩酊状態で客と接していることが信じられなかったのだ。
不得意な外国語でそれ以上突っ込むこともできず真実は不明だが、この体験以降、フランスについて何か考えるたびにこの情景を思い出す。その時々で様々な考えに発展するが、いつもフランス人の「自己中心」あるいは「人間中心」に帰着してしまうのだ。
パリでは多くのクルマが路上駐車されている。バンパーで前のクルマを押して駐車スペースを確保するのが当たりまえで、フェラーリとて例外ではない。必然的に凸凹ボディのクルマが多い。またクルマを洗車する習慣も無いのか、埃だらけのクルマも多い。
このようなクルマとの接し方こそがフランス人気質を端的に表したものだと、勝手に納得して悦に入ってしまう。
フランス人にとってクルマは下僕であり、磨いたり崇めたりする対象ではない。しっかり働いてもらうと同時に下僕らしい姿であって欲しい。少し知的に見えればご主人の評価も上がるので、より望ましいということになるのであろう。
フランス車のユニークさの根っこはこんなところにあり、そのやや風変わりな感じが人によっては堪らなく引き付けられる魅力となっている気がする。
★あばたもえくぼのぶうちん
★デザイナーはシトロエンがお好き!!
★フランス流クルマの愛し方