5月26日発表、同27日発売の新型ホンダ『ステップワゴン』。本田技術研究所で新型の開発責任者を務めた蓮子末大(はっし・すえひろ)主任研究員は、「走りのミニバンをめざした」と語る。しかし新型の室内は「リビングルーム」だ。
初代以来、ステップワゴンは「家族の空間」「家に車輪」が商品コンセプトだった。新型も室内はそのコンセプトを引き継いでいる。それなのに「走りのミニバン」とはどういうことなのか。
蓮子主任研究員は、ミニバン市場が熟成してきたことを背景としてあげる。「かつてミニバンは特別なクルマでした。ステップワゴンで“子供と一緒にどこ行こう”と。しかし今では日常ユースのクルマになりました」
「日常で使うクルマとして、従来型の商品企画に加えて、セダンのような乗り心地、走りの性能を新型には与えたのです。それが“走りのミニバン”と表現するわけです」と蓮子主任研究員。
新型ステップワゴンの走りの質は走り出した瞬間に違いがわかる、と本田技研工業の福井威夫社長は語る。それが新型の“次世代のユーティリティ価値”であり、新型をセダンやミニバンという車種の範疇を超えて“ムーバー”と呼ばせる理由だろう。